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2010年9月14日火曜日

海外の生産工場選びは選択と管理がとても重要!

中国・台湾・香港・東南アジア・ベトナム等々、極東やインド・パキスタン・トルコ等々で繊維製品や雑貨商品の定番商品から別注(OEM)生産委託を実行する場合に、私が思う重要な課題は当たり前の事ですが、工場の選択と管理であると確信しています。



一概に工場の選択と言いましても、例えば、タオル工場を一つ取りましても中国だけで3500社とも5000社とも言われ、大小様々な規模のタオル工場があり、様々なサイズや種類の商品を生産加工しています。


そんなに数多くの工場の中で、品質・価格・納期を約束通りに守れる工場を選択し、生産管理していく事は、まさに『言うは易く、行うは難し。』・・・です!


例えばタオル類の企画を一つ取りましても、後晒しのズブ染め商品~先晒しの先染め商品では製造工程も違えば、出来あがる商品の見た目も風合いも全く違った商品になります。


そしてプリント商品も染料プリントでプリントするのと、顔料プリントでプリントするのでしたら、当然の事ながら、プリント部分の吸水性も風合いも全く違った物になります。


以前ある貿易会社の社長からどうしても相談に乗って欲しいと言われ、大手総合商社の貿易担当者にお会いした時の相談内容が、何と、染料プリントをしなくてはならない様な商品でしたが、その(バスタオルに大きなキャラクターのプリントを施す)商品はシャーリングしているにも拘らず顔料プリントをしている上に、ベース(タオルのグラウンド部分)をズブ染めをしているのです!

グラウンド部分(タオル本体)をピンクやブルーにズブ染めした上に顔料プリントでプリントしている?????


シャーリングした商品の上に染料プリントを施すなら、せっかくシャーリングした商品の風合いを殺してしまわずベルベット調の柔らかい風合いを保つ事も出来るのですが・・・


シャーリングした商品の上に顔料プリントを施すとベルベット調の風合いは完全に無くしてしまう結果となります。

要するに、せっかく柔らかくなる加工をした上にペンキを塗って固めているような物で、全く本末転倒のちぐはぐの事をしている事になります!

その上、ベース(グラウンドのタオル地)部分をズブ染めに染めてキャラクターの顔を顔のラインだけで描いていれば、キャラクターの顔色は勿論、ピンクやブルーのグランドの色が顔色となって表現され全くキャラクターのイメージが変わってしまいキャラクターブランド商品としては全く不適合な商品になってしまいます。


要するに全く、目的の高級な商品どころか・・・全くちぐはぐな不良品を大量に生産した事になってしまいます。

御相談を受けた当初、私は顔の部分を着色抜染(ちゃくしょくばっせん)の技術指導でその不良部分の修正をできるのでは中と考え技術指導を行い、その大問題点を解決する技術指導を行おうと考えていました。


ところが、その不良商品の出来上がり状態を見て『愕然としました!』反応染料でズブ染めしたシャーリングのバスタオルの上に顔料プリントでプリントをしてしまうような超低レベルの工場に、着色抜染の技術指導をしたとしても、レベルが違い過ぎてできる訳がありません!

技術レベルは天と地ほど違うだけでなく、タオルを作る感性が本当に乏しい工場に如何してA級レベルの技術指導ができるでしょうか?

B級ではなく、C級以下のレベルの違い過ぎる工場に、A級レベルの商品作りや技術を望んでもできる訳がありません!

私はその総合商社の御担当者の方にこの様に伺いました!


『何故この様な商品を作る工場に発注をしましたか???』

総合商社の御担当者曰く、『ええ工場やと聞いていましたから!』

私、清水曰く『ええ工場?・・とA工場とは全く違うのですよ! この工場に着色抜染などできる訳も無く、手の施しようのない失敗をされてしいましたね!』・・・と言わざるをえない酷い商品の仕上がり状況でした!


まさに『後悔先に立たず』『覆水盆に返らず』・・・の状態で、手の施しようのない状態になったのは、私の予測ですが、安易にそのタオル工場の言う事を信用してしまった?

もしくは、商品作りを甘く見ていた?


学力が高くエリートの方に陥りがちな『駑馬に鞭打つ』気概の欠如による大失敗で有ったように思っております。


中国等々、海外の工場の選択には、日本人の思っているグローバルスタンダードが通じるかどうか?・・・と言うより、御国柄や習慣や概念や商品に対する不良品の認識や感覚が全く違う場合がある事を強く認識して、慎重の上にも慎重に工場の選択選考を実行し、尚且つ、検品工場を通すとか?Wチェックやトリプルチェック体制を構築するとか!

ありとあらゆる手段を用いて、間違いのない、こちら側の要望通りの商品に出来上がるように、最善の注意を払わないといけません!


『蛇の道は蛇』・・・タオルの染色&プリント製造加工の専門家なら分かる事ですが、専門家でなければ全く、結果が分かりません!


私は国内外の展示会の際でも、出展社が展示してあるプリントタオルを見て、『〇〇省の〇〇毛巾工場の商品ですね!』・・・と言って、『何故分かるんですか???』・・・と驚嘆される事がよくあります。


何故分かるのか?・・一言では全く御説明できませんが、工場それぞれ微妙に違うのです?


何が微妙に違うのか???

・・・と言われましてもこれまた説明しにくいのですが、商品も見れば製造の方法の履歴が分かります!

勿論、織機の種類、染色方法~そしてその製造工程!


・・・と言う事は見た事のある工場の製造工程を記憶していますので、それと照らし合わせて、その工場の商品であると断定する事ができます!


そして、光沢や色合い、プリントの特徴が微妙に違うのです!

特長のある技術があり、工場も進化後退をし・・・刻々と変わって行きますので・・・あまり昔に見た工場の記憶はもう役には立たないのです!

それではそんなに頻繁に色々な工場の隅々まで見られるかと言うと、完全には見ることができません!

そこで展示会での視察時にその工場の特徴が微妙に変わっている事が頭に焼きつき、このタオル工場の商品であると閃きます!

日本の展示会場でブラジルの工場名を見た瞬間に言い当て、その展示ブース内に居た方から『貴方何故、見た瞬間に工場名を分かるのですか?』・・・と言われた事もありますが、タオル工場数も今現在一国で一番多いと推測できる中国大陸には湾岸部から多くの省で沢山の工場があり、千差万別の特徴を持っています。

そんな中で、私が絶対の自信を持っていますのが、工場選びと生産管理です!

調香師の2代目、3代目になってくると、臭覚が異常に敏感になってくるのと似ているように私は思っているのですが、染色加工時のカラーマッチング(色合わせ)にとても苦闘をしていた!・・・と言う初代から数えて親子2代で65年間もタオル類繊維製品の染色加工~製造加工技術に携わり、現場、試験室とありとあらゆる実験と現場でたたき上げたノウハウと技術はそんなに簡単な物ではなく、『ローマは一日にして成らず』・・・のことわざの如く、技術もノウハウも簡単に気づく事は絶対に不可能です!

弊社が絶対のタオル類~繊維製品の企画・開発・生産・加工並びに直輸入に自信を持っておりますのは、そのようなノウハウ・技術の蓄積があり、一言では一概に言い尽くせない、製造加工場の苦労の経験があるからこそ、その問題点を未然に防げたり、解決したりする事も出来ます。


他にも語り尽くせない程、この様な話は沢山御座います。


絶対に誰にも負けない程の研究開発をして、沢山の特許や実用新案を出願したりアイディア商品で成功して参りました。


今日では、直輸入貿易業としてタオル~繊維業界の御客様(商社様・問屋様・貿易会社様)を通じて、社会に貢献していければと思っております。

勿論、地場産地の泉州タオルの企画・製造加工タオル類の卸販売~清水産業(香港)有限公司を通じて香港~中国~世界市場に日本の商品を輸出し貢献していきたいと思い、社員一同、努力邁進・切磋琢磨を怠らず日々研鑽しております。

今後共、何卒よろしくお願い申し上げます。



(タオル類・キャラクター商品・生活雑貨)企画開発・製造加工・直輸入在庫大卸     
別注(OEM)生産&輸入代行
清水産業株式会社 代表取締役社長 清水謙一

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